「あ、すいません」
コンビニの扉の前で、ぶつかりかけた女の子は、寸前のところで身をかわした。
彼女は両手に荷物をいっぱいもっていた。おそらくは模擬店の準備なのだろう、彼女の制服は目の前の学校のものだった。学園祭の看板が出ている。
少女は、亮と目が合った瞬間に動きを止め固まった。手から落ちかけた荷物は、地面に届く前に亮に受け止められた。
「あ、あの」
亮は、何も言うなというように首を横に振った。
荷物のお礼を言うつもりでないことは、おびえと困惑のない混ざった目が物語っていた
話は一週間前にさかのぼる。
一斉退庁日の水曜日、亮は急に思い立って、総武線快速を錦糸町で降りた。
その手の雑誌では有名な街ということもあって、いたずら心がわいたのだ。
適当に見つけた中華料理屋で、ラーメンとギョーザ、それにビールを頼んだ。
品物ができるまで、時間つぶしの意味で手にしたスポーツ新聞、その風俗欄に乗っている店の名前をざっと眺めた。
食事を済まし、街をぶらついてみることにした。どうせ家に帰っても単身赴任中だ、待っている人はいない。
客引きらしき男や、南米系の女性の秋波を無視して歩いているうちに、ある店の行灯が目についた。
それは、新聞に載っていた店のうちの一軒だった。亮は割と記憶力がいい、新聞広告ぐらいなら、一瞬で五つや六つの名前を覚えることができる。
「R」という店は、いわゆるピンサロだった。今は絶滅危惧種かもしれないが、平成にはまだお手軽風俗の主流だった。
まあ、基本はお口で抜いてくれる、という店だ。店内はいくつかのしきりで分けられ、大音響の音楽とマイクが流れている。
亮は、あちこちの街でこの手の店を利用していた。お手拭きで『ちんこ』をふきふき、パクっと咥えてくれる。
その間に、亮の指は『まんこ』の中とおっぱいをいじくりまわす。彼は女の子をメロメロに濡らすのが割と得意だ。
「さえです、よろしく」
そういって席に着いた女の子は、見るからに若かった。
こんなところでかっこをつけても、意味はない。亮は冴えを抱き寄せるとドレスのわきから手を入れた。
ノーブラのおっぱいは小さいが、乳首はすでに、ぴんと立っていた。
断られてもともと、唇を重ねるとすんなり舌を受け入れた。乳首を指で弄ぶと、反応が舌に現れる。
「俺はビール、さえちゃんは何飲む?」
「え、いいんですか」
さえからは言いだしにくそうなので、こっちから水を向けると、はじけるような笑顔を見せた。
「あ、あの、わたしでいいですか」
その時になってさえは仕事を思い出したようだ。
指名で入ったわけではない、そんなとき亮は、席についた女の子を延長することにしている。
「もちろん」
さえは嬉しそうに、ウーロン茶と指名の代金を持って、店の奥にあるフロントへ消えた。
「えーっと、あんまりうまくないんですけど」
いいながら、さえは『ちんこ』をおしぼりで丁寧に拭くと、髪をかき上げおずおずと『ちんこ』を咥えた。
確かにうまくはない、ただ頭を上下させるだけ、たぶんこれじゃいかないな。亮は冴えの『まんこ』に指を伸ばした。
パンツは、すでにはぎ取ってある。薄めの陰毛を掌で味わい中指を差し込んだ。
意外なことに、そこはもう濡れまくっていた。
中で指を動かすと、たまらずさえは声を上げかけ、『ちんこ』に歯を立てた。
「いて」
亮の声が聞こえたのだろう。さえは慌てて口を離した。
「ご、ごめんなさい、わたし」
スキンヘッドの親父の『ちんこ』に歯を立てたのだ、さえは間違いなくおびえた表情を見せた。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
亮はとびっきりの笑顔を見せると、さえの細い体を抱きしめた。
ちょうど、マイクが時間を告げている。
「延長するよ、あとビールを」
店はまだすいている、今なら店も文句はないはずだった。
「ありがとうございます」
さえが、ビールを持ってくるまでの間に、亮は『ちんこ』にゴムをかぶせた、今までの経験から言っていけるはずだった。
予想どおりは、さえは、亮の申し出をまったく拒否することもなく、すんなりと膝の上に乗った。
以外なほど、さえの『まんこ』の中は狭かった、中は十分に濡れている。
こんなところで我慢する必要もない。きつきつの『まんこ』、この子いくつなのかなと亮は思っていた。
キスで声をふさぎ、亮は下からさえを突き上げた。
さえの背中が反り返る、亮は放った。
「ダメなんですよ、本当は、ばれたら怒られちゃう」
余韻を楽しむ間もなく膝から降りたさえは、少しとろんとした表情で言った。
それが、一週間前の話だった。その女の子が、今制服を着て目の前にいた。
逃げることもできず立ちすくんでいる、それが彼女がさえであることの証拠だった。
亮は名刺を取り出すと、メールアドレスを裏に書いた。無言で差し出す。
困ったような、泣きそうな表情を見せながらも、名刺を受け取ったさえは、そこに書かれた肩書を見てもう一度目を見開いた。
「学園祭、頑張って」
亮はそれだけ言うと駅に向かって歩き出した。