もみじは今年で十二になる。叡山の塔頭で小者として暮らしている。
上京で公家相手に商いをしていた両親は、戦乱に巻き込まれ、彼女が四つの時に亡くなった。
当初は顔見知りの寺などで暮らしていたが、それも次々と足軽などの焼き打ち、強奪に会いもみじの居場所はなくなった。困った彼女は盗み目的で叡山に上った。
多くの自社が戦乱で焼け落ちたが、叡山は無事だったのだ。
当たり前のように捕まり、僧たちに折檻を受けた挙句、木に縛り付けられた。
それを救ってくれたのが、塔頭の法主である西栄だったのだ。彼はそればかりか、塔頭に住まわしてくれたのだった。
叡山は女人禁制とさせてはいたが、初潮前の童は女性としてみなされない。もっとも、実際には遊女をはじめ多くの女性が暮らし、また里から通っていた。遊女と遊ぶもの妾を持つものが多く居たのだ。
しかし西栄は、そういった輩とは異なり女に溺れるというようなことはなかった。
立派なお坊様、そうもみじは思っていた。がそうではなかったことを彼女は身をもって知ることになる。
「もみじです」
障子の前で、正座をした、もみじは室内に声をかけると障子を開いた。もみじのような小者が、法主の部屋に呼ばれることは、滅多にないので彼女は少しばかり緊張していた。
「風呂はどうだった」
西栄が優しく問うた。寺には風呂があるが、それは基本的には身を清め修行を行うためにある。
つまり、もみじが風呂を使えるのは、月のうちに数日なのだ。ありがたいに決まっていた。
「今宵から、お前にも功徳を与えることにする、こっちに来なさい」
西栄の声は低く体の中にしみとおるような良い声だ。そう思うのはもみじだけではない。
切れ長な目と整った顔立ち、それも含めて信徒、特に女性のそれから人気が高い。
山にいる遊女の中には、抱いてもらえるなら地獄に落ちてもよいとと言わしめるほどなのだ。
しかし彼は、それらの女性をまるで相手にはしていない。それ以前に明らかに遠ざけている。
「小袖を脱ぎなさい」
もみじは一瞬耳を疑った。なぜなら小袖の下には何も身に着けていないからだ。
「恥ずかしがることはない、ほら、私も裸になるから」
言うと西栄は衣を脱いだ、鍛えられた整った体だった。それは阿修羅のように美しかった。
「来なさい」
西栄が両手を拡げた、股間には『へのこ』が屹立している。
両親を失って以来、世の中の最下層で暮らしてきた。経験はなくとも大人達の猥談を聞かされている。男と女が何をするかはわかっていた。
しかし法主様はそのようなものとは無縁なはずだ。もみじは混乱した。
「私は女です、法主様に触れるなど」
「月のものはないのであろう、ならばお前は童だ、何の問題もない」
西栄は、なおもためらうもみじの前に近づくと、その頭を両の腕で抱えた。
「私の麻羅を舐め、そして咥えなさい、お前の体内に功徳を授けよう」
西栄はそういうと、大きく屹立した『へのこ』をもみじの唇に当てた。
もみじには、言われるままに『へのこ』に舌を這わす以外の道はなかった。もちろん嫌なわけではない、法主様が自分をお呼びくださったというだけで、彼女は幸せだった。
「ん、なかなか上手だ、では口を開けなさい」
もみじがおずおずと開けた口に、西栄は『へのこ』を差し込むともみじの頭を前後にゆすった。
喉に『へのこ』が当たりもみじは思わずむせかけたが、かろうじて歯を立てることだけはこらえることができた。
「だすぞ」
口の中に粘り気のあるものが噴出され、栗の花の香りを濃くしたような匂いが充満した。
「功徳だから飲み込みなさい」
おいしくはない、それでも法主様のものだと思うと、もみじは素直に言葉に従い飲み込んだ。
「もみじはいい子だ」
その言葉だけで、彼女は有頂天になった。
「一つ出したから、柔らかくなったはずだ、四つん這いになってお尻を上げなさい、もう少し功徳をあげよう」
菊座が見えてしまう、もみじは恥ずかしさで体が熱くなった。同時に『おまん』が濡れるのを感じた。
「きゃ」
もみじは思わず声を漏らした、西栄が『おまん』に触れたのだ。彼は濡れたものを指にとり、もみじの菊座に塗った。
「少し痛むかもしれないが、それを越えてこそ」
そのあとの言葉はもみじには聞こえなかった。
菊座に硬いものが差し込まれ、自分のあげた悲鳴が西栄の声をかき消したのだ。
思わず逃げようとした彼女の腰を、西栄が抱え込みんだ。
「逃げると功徳がなくなりますよ、声も我慢するのです」
もみじは畳に顔をこすりつけ耐えた。『へのこ』が押し込まれるのが分かった。
体の中に功徳が放出されるのを感じ、もみじの意識は途切れた。
どうやらその日は、亀頭しか挿入されなかったようだ。締りの良さに西栄はあっという間に達したらしい。
その日から風呂の後は西栄の功徳を口と尻で受け取ることになった。
苦痛だった行為が、ひと月もたつと快楽に代わっていた。
根元まで『へのこ』を挿入された時の密着感が、もみじには心地よかった。出し入れされると、頭が真っ白になるほどの快感を感じ歓喜の声を上げるようになった。
もみじは幸せだった、が、そんな日々は初潮を見たことで突然終わりを迎えた。
「女は、ここにはおけぬ」
西栄のその一言で、もみじは僧兵どもに下げ渡された。
「まだ乳は小さいが、毛も生えそろっておる、誰が新鉢を割る」
もみじは素っ裸で土間に転がされていた。今から何が起こるかは理解している。僧兵たちにいたぶられる、女として尻ではなく『おまん』で 『へのこ』を受け入れるということを。
「おいおい、いきなりか、せめて豆ぐらいいらってやれ」
「そうじゃ、いきなりそんなでかいものを入れたら壊れてしまう」
「みんなまで回らんだろう」
爆笑の後、一人の僧兵が、もみじの股に顔を近づけた。
「ひゃ」
豆を舐められ声が出た、同時に別の男が乳を揉んだ。
「あ、はあ、ん」
「こいつ感じておる、なかなかいいかもしれん」
豆をなめている僧兵は上手いのかもしれない、もみじは『おまん』が、今までにないぐらい濡れ始めていることを悟った。
「もういいか」
僧兵の硬い『へのこ』が押し当てられた。腰を抱かれている。
「ぐ、ぐぎぎ」
もみじの口から苦痛の声が出る。それでも尻をつらぬかれたときよりは楽だった。
痛みに耐えるために、僧兵の体にしがみついた。
「おうおう、淫乱な娘じゃ、中が締まるわ」
「だすなよ、あとが迷惑する」
僧兵は何度か動くと『へのこ』を勢いよく抜いた。白いものが腹にぶちまけられた。
それを拭いた次の僧が、そのままいきり立ったものを差し込んできた。
もみじの中はもうぐちゃぐちゃで、湿った音が狭い土蔵に響いた。
「だめじゃ我慢できん、口を貸せ」
「拙僧は尻でいい」
今挿入している僧兵が、そのままもみじの体を裏返した。
顔を持ちあげられ開かされた口に、そして尻に同時に『へのこが差し込まれた。
下から突き上げられ、喉の奥まで差し込まれ尻も埋められたもみじは体の中から湧き上がる快感に酔い、狂った。
三人は同時に放った。
何人に犯されたのだろう、さすがに体中の穴が痛んだ。
その夜、もみじは痛む体を気力で動かし、山から逃げた。自分を玩具にした西栄も僧兵どもも憎かった。
僧兵たちが酒に酔い寝入ったころ、もみじは彼らが暮らす小屋にかんぬきをかけ、火を放った。
西栄の寝所に潜り込み、僧兵から奪った長刀を、彼の首にたたきつけた。声も上げずに首が転がった。
捕まれば間違いなく殺される、それはそれで仕方がないと思っていた。
小娘が京の町で暮らすには、結局体を売るしかなかった。もみじは、まぐわいが嫌いではない、そのことにも気が付いていた。
おとこの上にまたがり、『へのこ』を『おまん』に吸い込む、それは金と快楽を産んだ。
ある日の客が、言った。
「おぬし、担ぎ巫女をせぬか」